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IC/BPS とは?

間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(略して IC/BPS) は、慢性的、 長期的に続く症状で、患者の生活の質に大きな影 響を与える痛みを伴う尿路症状 を引き起こします。IC/BPS が進行すると、その 痛みと頻繁な排尿は、仕事、性交、社会生活、睡 眠をひどく妨げる可能性があります。

現在のところ、IC/BPS の確定的な治療法はあり ません。一方で、適切な治療を受けることにより 、患者は何年も無症状でいられ、通常の生活の質 を維持することができます。維持療法では、何年も、場合によっては生涯にわたって患者 の状態を観察することが必要です

人口の約 2.4%が IC/BPS を疾患していると推定 されますが、現在、医療先進国でさえ、実際に IC/BPS と診断されている患者は 5~10%に過ぎま せん。

残念ながら、IC/BPS は診断が遅れるほど症状が 重くなります。

Urosystem の使命は、IC/BPS 患者の診断から様々 な レベルの適切な治療まで、オールラウンドなソリ ューションを提供することです。

米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK 、米国)の定義によると、間質性膀胱炎・膀胱痛 症候群(IC/BPS)は、疼痛を伴う泌尿器系の 症状が慢性的または長期に持続する疾患です[1] 。 その症状は患者の QOL(生活の質?) に大きな影響を与えます。[2]

IC/BPS が進行すると、疼痛と頻尿(1 日 80 回を 超えることもある)により、仕事、性交渉、社会 生活、夜間の休息に重大な支障をきたすことがあ ります。IC/BPS 患者には、その他の慢性疾患も 通常より頻繁に発生します[3]

現在の知見によれば、IC/BPS には恒久的な 治療法はありません。[4] 一方で、適切な治療を受けることにより、何年も 症状から解放され、標準的な生活の質を維持する ことが可能です。IC/BPS は、診断される症例数 の増加と治療期間の長さから、近い将来、医療シ ステムに必要とされる資源の増大が予想されます。

[1] https://www.niddk.nih.gov/health-information/urologic-diseases/interstitial-cystitis-painful-bladder-syndrome/definition-facts

[2] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5730899/

[3] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20719340/

[4] https://www.niddk.nih.gov/health-information/urologic-diseases/interstitial-cystitis-painful-bladder-syndrome/treatment

周知の事実

IC/BPS の原因はまだ判明していません。考えら れる説明としては、関連する神経の機能障害、自 己免疫疾患、アレルギー反応、ストレスなどが挙 げられます。また、遺伝的要因が関与している可 能性もあります。しかし、これらの仮説はいずれ も科学的に証明されたものではありません。

一方で、病状自体はよく説明されています。[1] 症状は 膀胱や尿道上部の粘膜の状態が悪いことが原因で 発生します。グルコサミノグリカン(GAG)から なる健康的な粘膜の粘液層表面は 塩分や酸などの代謝産物(尿中に自然に存在する )が膀胱壁の深層部に入り込み、粘膜下の疼痛受 容体を刺激するのを防ぎます。
IC/BPS では、この GAG 層が損傷し、上記の化合 物が受容体に到達することを可能にします。この 結果、細菌が存在しない無菌性の炎症が生じ、こ れが膀胱壁の深層にも広がり、マスト細胞の増加 につながります。これらの細胞はヒスタミンを生 成し、痛みを増大させます。

炎症が続くと、痛みを感じる受容体の数が増え、 症状が悪化します。炎症が何年も続くと、結合組  織の他の要素が浮腫組織に蓄積され、膀胱壁の弾 力性が失われます。

この過程の末期には、末期膀胱疾患 ESB (容量が非常に少なく硬化した 膀胱)が発生することがあり、これは不可逆的な 状態です。厚くて硬い膀胱壁がゆっくりと尿管を 圧迫し、その結果、腎不全が現れることがありま す。

GAG 層が失われる原因が判明していないため、IC /BPS を予防することができません。また、この 状態を完治する治療法はありません。 早期診断と適切な治療により、IC/BPS の進行を 食い止めることができます。

[1] Hanno PM, Wein AJ, Malkowicz SB. Penn Clinical Manual of Urology 2017 217–34 - Video on the topic: https://www.youtube.com/watch?v=aQuh7iRZYT8

診断と有病率:二つの難題

マーカーを見つけるために多くの努力が払われて きましたが、現時点では IC/BPS に関連するマー カーは発見されていません。[1]IC/BPS を特定す る代わりの方法もなく、最も知られている画像診 断法を適用しても正確な診断はできません。健康 な膀胱と損傷のある膀胱の画像は一致している可 能性もあります。一方で、GAG 層の機能不全は他 の疾患を示していることもあります。悪性の過程 や感染症を除外する必要がありますが、他の疾患 があっても IC/PBS を除外することはできませ ん。

したがって IC/BPS はまず容易に確定される症状 の治療が成功した後に診断可能なことがありま す。

 

IC/BPS の代表的な症状

 

IC/BPS の通常の症状は、大きく分けて二つ のグループに分けられます。[2]

痛み

  • 尿道や膀胱だけでなく、下腹部、骨盤や 会陰部(女性の場合は膣、男性の場合は 陰嚢や陰茎)も影響を受けることがあり ます。

  • 痛みの強さは膀胱の充満度と相関してい ることがあり、排尿で 一時的に減少することがあります。

  • 尿道が炎症していると仮定した場合 、性交時に痛みを伴うことがあります。

  • そのレベルは、軽度の不快感から重度の 耐え難い痛みまで様々です。

  • 初期においては、無症状でいる時間が長く、痛みは短くまばらに生じます。 IC/BPS が進行するにつれて 、疼痛は永続的なものとなり、排尿とは 無関係に起こることがあります。

  • 長期間無症状で安定した状態が続いてい ても、患者は痛みの再燃を繰り返すこと があります。

 

排尿

  • 初期は通常よりもやや頻度が高めになり ます。重度の場合は 1 日 60~80 回の排尿 もありえます。

  • 突然の尿意切迫感が起こり、痙攣と痛み が続くことがあります。

  • 軽度の場合、排尿回数の異常は日中にし か現れません。夜間頻尿が進行すると、 夜間に数回の排尿が必要になることがあ ります。

  • 排尿量(尿量)は非常に少なく、消費さ れた液体の量と相関しています。

  • 重症の場合は、排尿後も排尿の必要性が 持続します。

上記の症状の有無は患者によって異なり、いくつ かの要因に影響されます。例えば特定の食品や飲 み物の摂取、肉体的および/または精神的ストレ スの量、消化器疾患、尿路感染症(UTI)、およ び(女性の場合)月経周期(症状は通常、排卵後 に悪化します)。

 

IC/BPS の診断 今と昔

泌尿器科医のほとんどは、特徴的な症状が一定期 間(1.5~6 ヶ月)続き、類似した 症状を持つすべての疾患を除外できる場合に IC/BPS と診断します。問診票 に記入することで症状の有無を特定することがで きます。O'Leary-Sant 症状指数は最も頻繁に使用されているものの一つ です[3]。しかし、臨床検査やその他の検査で IC /BPS を明確に確認することはできないため、100 %確実に診断することはできません。幸いなこと に、診断を絞り込むために有効な補助的検査は いくつかあり 、近年、この分野での医療は大きく改善されてき ています。

IC/BPS の診断に最も重要な方法 は、カリウム感受性検査(Parsons- テストまたは PST)でした。この検査では 膀胱に塩化カリウムを注入することで発生する痛 みによって GAG 層の機能不全を確認します。 [4](健康な GAG 層の場合、著しい痛みは確認 されない)。しかし、この方法は不必要に侵襲的 であるだけでなく、溶液により激しい痛みも 与えていて、患者にとって不快なものでした。ま た Parsons テストは定量分析のための情報を 提供していませんでした。この感受性検査の新し いバージョン(修正版 Parsons テスト)では、膀胱を希釈した塩化カリ ウム水溶液で満たして膀胱の最大容量を測定した 後、生理的食塩水で同じプロセス を繰り返しました。この 2 つの値の割合は,尿の 濃度に対する膀胱壁の感度を示します。 修正された Parsons テストは定量測定にも使用で きますが、やはり 侵襲的で時間がかかり、精度はオリジナルのもの よりも高くはありませんでした 。これらの問題のため、最近のガイドラインでは どちらの検査も推奨されていません[5][6]。

リドカイン検査は逆の働きをします。この物質は 膀胱の痛みを和らげるので、 痛みの原因が膀胱そのものであることを考えると 、IC/BPS の場合はリドカインを注入することで 症状が軽減されます。[7] この検査は間違いなく カリウム感受性検査よりも快適ですが、やはり 侵襲性は高く、定量分析もできません。

新たな診断方法に 2 日間の排尿記録
を使用する GAG 層完全性検査があります、これは 非侵襲的で痛みもありません。この検査 は尿濃度と膀胱容量の相関関係の観察に基づいて いて、尿自体が溶解した塩の溶液としてすでに存 在しているので、何も注入する必要はありませ ん。尿物質(塩類を含む)の濃度は、消費される 液体の量により変化します。尿量の測定を、一日 目は可能な限り摂取する液体の量を控え、 二日目はできるだけ多くの液体を摂取し行いま す。

膀胱壁が健康な場合、平均排尿量と水分の摂 取量との間には相関関係はありません。IC/BPS の初期段階では水分の摂取量が多いと尿量が 30~50%多くなります。病状が が進行するにつれて

、その差は 50~100%にまで拡大し、重症例では 300~500%になることもあります。したがって、 2 日間の排尿記録 は、膀胱壁の損傷状態を示すだけでなく、損傷の 程度を数値で表します。したがって GAG 層完全性検査では、定量分析も可能になりま す。

日中の尿量の平均値と日中の尿総量の相関関係、 健常者と IC/BPS 患者(図参照)。

IC/BPS と一緒に発症する可能性が著しく高い特 定の疾患があり、それらの存在が診断をサポート することがあります。このグループには、アレル ギー症状、片頭痛、過敏性腸症候群、子宮内膜症 、外陰部痛、慢性疲労症候群、シェーグレン症候 群、パニック障害、およびその他多くの疾患が含 まれます。[8]

尿中に血が混じっていたり、尿細胞診で悪性の疑 いがある 場合(または陽性の結果が出た場合)、併用療法 を受けているにもかかわらず患者の状態が悪化し ている場合には、 膀胱がんや似たような症状の他の病気がないかど うかを調べるために低圧膀胱鏡検査を 行うことが推奨されています。膀胱粘膜の生検は 膀胱鏡検査で悪性腫瘍の疑いがある 部位が見つかった場合にのみ行います。 膀胱鏡検査で悪性腫瘍の疑いがない場合は、最も 感度の高い非侵襲的な方法である尿細胞診を行う 必要があります。

患者の病歴 を記録することも有用な情報を提供します。これ には、現在の症状だけでなく、感染症の既往歴、 患者が患っている他の疾患(主に自己免疫疾患と 消化器疾患に焦点を当て る)、服用している薬や抗生物質、以前に服用し ていた薬や抗生物質、患者の食生活やその他の生 活習慣の特徴、症状と上記の情報との相関関係な どが含まれているべきです。

IC/BPS の患者数は?

 

病気の発生は、通常 2 種類のデータによって示す ことができます。発生率とは、一定の 期間(通常は 1 年間)に新たに登録された症例数 を意味します。一方、有病率とは、ある時点でそ の病気にかかった人の総数 を意味します。一生続くと思われる IC/BPS の場 合は、後者のデータが関係しています。

有病率の国際的な推定値は、症状の有無、問診票 への記入、IC/BPS と診断された患者のデータに 基づいています。IC/BPS の罹患者数は通常 10 万 人とされています。

しかし、問診票やその評価方法は標準化されてい ません。IC/BPS と診断された症例に焦点を当て た医師のデータのみを用いた研究では、有病率は 45~197/10 万人と結論づけたものもあります[9] 。

一方、電話調査では、IC/BPS に罹患した男性は 1 900~4200/10 万人、女性は 2750~6350/10 万人 と推定されています。後者のグループで 診断を受けたのはわずか 10%でした。[10] [11] 電子メールでの自己申告で行われた別の調査によ ると、IC/BPS は計算の仕方によっては、258~13,114 /10 万人に影響を及ぼす可能性があります[12]。

2017 年、間質性膀胱炎協会(ICA)は米国だけで、 女性は 300~800 万人、男性が 100~400 万人が IC/BPS に罹患していると報告しています。[13] 近年、この推定値は多くの関連論文や団体に受け 入れられているようです。[14]、 [15] 両値の平均値を考慮すると、2,400/10 万人の有 病率が妥当な計算であるように思われます。

 

患者の平均年齢は 40 歳のようですが、IC/BPS は 若くても高齢でも現れることがあります。

しかし、医療先進国でも IC/BPS の診断率は 5~1 0%以下となっています。これほど重 篤な疾患で、診断率が低いものは他にありません 。

[1] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5779567/

[2] https://www.urologyhealth.org/urologic-conditions/interstitial-cystitis#Symptoms

[3] https://www.ichelp.org/wp-content/uploads/2015/06/OLeary_Sant.pdf

[4] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21176078/

[5] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5065402/

[6] https://www.auanet.org/guidelines/interstitial-cystitis/bladder-pain-syndrome-(2011-amended-2014)

[7] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25917728/

[8] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15119315/

[9] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16006901/

[10] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23164386/

[11] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21683389/

[12] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17431811/

[13] www.ichelp.org/about-ic/what-is-interstitial-cystitis/4-to-12-million-may-have-ic

[14] https://www.urologyhealth.org/urologic-conditions/interstitial-cystitis

[15] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6234747/

IC/BPS の治療法

アメリカ泌尿器科学会(AUA)のものを含むほと んどのガイドラインは、医師は 最も低侵襲な方法から始め、より侵襲的な技術へ は段階的に進めるべきだという見 解を共有しています[1]。

ライフスタイル改善と食事

 

最も侵襲性の低い治療の可能性は、ライフスタイ ルの改善にあります。 食事は症状に大きな影響を与えます。IC/BPS の 飲食物リストはインターネット上で広く公開され ており[2]、 [3]、 [4]、このトピックに関する科学論文も発表され ています[5]、 [6]。文献のほとんどは、特定の栄養物が損傷し た膀胱壁を刺激することに同意しています。リス トは通常、以下のことに言及しています。

  • カフェイン入り飲み物

  • アルコール飲料

  • 辛いもの、刺激の強い食品

  • 炭酸飲料を含む酸味のある食品や酸性の 食品

  • 酸度の高い果物

  • フレグランスオイル及び/又は揮発性オ

  • イル化合物を含有する茶又は特定の栄養

  • 補助食品

  • ハーブ製品

IC/BPS に適した食事に従うことは、症状を軽減 するのに役立つでしょう。 しかし、特に重症の場合、 生活習慣や食生活の変化だけでは効果があるとは 限りません。通常、効果が現れるまでにはかなり の時間がかかり、このような治療中に症状が悪化 することもあります。

 

内服

 

症状の改善が見られない場合、次に主流となる 治療法 は経口治療です。最も一般的な薬は、通常、以下 の有効成分を一つ以上含んでいます。

  • 抗ヒスタミン性抗炎症剤

  • 非ステロイド性抗炎症剤

  • コルチコステロイド系抗炎症剤  三環系抗うつ薬

  • ガバペンチン神経痛緩和

なお、承認されている製品と入手可能な製品のリ ストは、国によって大きく異なります。

これらの物質の有効性を調べた 研究は数多くあり、多くの文献に もまとめられています[7]。これらの薬剤には、 抗炎症作用、疼痛抑制作用、抗うつ作用があるた め、経口薬による治療 は排尿や痛みの症状を緩和し、患者の生活の質を 向上させる効果的な方法であると考えられていま す。

酸性の尿は膀胱を刺激し、症状を悪化させる恐れ があるため、 尿のアルカリ化は経口治療で重要な項目です。 尿を酸性にする食品群を避けるだけでは、十分な 効果が得られないことが多々あります。 そのため、アルカリ化剤(薬やサプリメント)は 、経口治療においても大きな役割を果たします。

しかし、これらの薬剤は GAG 層の完全性にはほと んど影響を与えません。GAG 層の補充に使用され るひとつ、または複数の有効な医薬成分(後 述)を含む特定の製品があることについて は言及する価値があります。それらの多くは、広 く知られており、インターネット上で入手可能で す。このグループで、最も重要な医薬品は、食品 医薬品局(FDA、米国)によって承認されてい るペントサンポリ硫酸ナトリウム(PPS、エルミロ ン、 SP-54)であり、積極的に GAG 層の補充を助ける唯一 の経口薬であると考えられています。

GAG 層補充剤の使用にかかわらず、経口療法には いくつかの考慮すべき欠点があります。 膀胱に到達するまでに 、薬剤は消化器系で吸収され、循環し 、他の組織にも及びます。このことは、薬の効能 を低下させ、副作用の可能性を高めます。例えば PPS は、GAG 層への効果を得るために 3 か月以上 の服用が必要です。経口で PPS を長期に渡り服 用した場合、重大な副作用が生じる可能性があり ます。[8]この問題に関する最近の発見は特に懸 念されています[9]。

 

局所治療 (膀胱内注入)

 

次に挙げられるのは局所治療、膀胱内に特定の物 質を直接注入する方法です。

過去 20 年の間に、多くの有効な薬剤が試されて きました。その中でも、例えば BCG(Bacillus Calmette-Guarin)は効果がないことが判明して います。[10]その他、神経成長因子を阻害する薬 剤は安全性に問題があります。[11]特定の物質で は部分的に限り進歩が見られます。例えば、バニ ロイドでは痛みは軽減されましたが、排尿症状に 関しては改善が見られませんでした。[12]現在治 験中の薬剤もいくつかありますが、その結果には まだ議論の余地があるか結論が出ておらず、また 十分な臨床試験がまだ行われていません。P2X3 受容体(膀胱の活動に影響を与える)をブロック することは有望かもしれませんが、さらなる実験 が必要でしょう。[13]ボツリヌス毒素 A(BTX- A、ボトックス)は何度か治験されていますが、 結果は賛否両論あるようです[14][15]

リポソームを用いて異なる薬剤を送達することは 効率的な方法ですが[16]、これもさらなる実験が 必要でしょう。

有効成分においては、GAG 層の補充に関連した6 つの主要な化合物があります。下記の通りです。

  • ペントサンポリ硫酸ナトリウム(PPS、エ ルミロン、SP-54)

  • ジメチルスルホキシド(DMSO、Rimso-50/ リムソ-50)

  • リドカイン(アルカリ化リドカイン、AL)

  • ヘパリン

  • ヒアルロン酸(HA)

  • コンドロイチン硫酸(CS)

 

一方で、これらの物質の臨床データには議論の余 地があります。

PPS の構造は GAG 層に自然に存在する化合物と 類似しています。その作用機序はまだわかってい ませんが、効果的な膀胱内治療薬になる可能性が あります。[17]

DMSO は、FDA によって膀胱注入用に承認されてい る唯一の薬剤です。いくつかの論文によると、他 の特定の薬剤よりも効果的とあります[18]が、 DMSO に関連する問題点を指摘する文献もありま す[19]。

アルカリ化したリドカイン(AL)は膀胱のカクテ ル療法によく使用されます。いくつかの確かな情 報には、リドカイン自体が GAG 層の補充に有効な 薬とあります[20]。ほとんどの専門医は、たとえ その効果を否定する研究があるとしても、リドカ インは他の化合物の有効性を高めることができる と考えています[21]。

ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸は GAG 層の天然成分です。ヘパリンは単独でも他の 化合物との併用でも、局所治療によく使用されて います[22]。ヘパリンは、例えば DMSO よりも効 果が低いというデータもあります(上記参照)。 ヒアルロン酸は最も普及している成分かもしれま せん。その効果は何度か検証されていますが、異 なる結果が得られています[23]、[24]、[25]。コ ンドロイチン硫酸についても同様で、入手可能な データにはまだ議論の余地があります。[26]、 [27]、[28]。いくつかの研究によれば、HA+CS は DMSO と同じくらい効果的と考えられています。 [29]

医療現場では、患者が治療に反応することを期待 しながら、医師はそれぞれ配合の違う薬剤を使用 しています。[30]

議論の余地を残すデータの多くは、いくつかの事 実に基づいているかもしれません。第一に、 IC/BPS の病因はまだわかっていません。もしこ の病気がそれぞれ違う理由で発症する可能性があ る場合、異なる病因を持つ患者は治療に対し、異 なる反応を示すかもしれません。第二に、多くの 国では、これらの治療薬のうち一種類だけ、もし くはごく少数しか承認されていないため、客観的 で比較可能な全体像を築く可能性が妨げられてい ます。第三に、ほとんどの国では、膀胱注入に使 用される薬剤、カクテルはごくわずかで、通常は 医師の処方により、十分なサンプルサイズの臨床 試験を実施することが非常に困難なのです。

適切な薬が使用されていれば、局所的な治療は効 果的であるにもかかわらず、経口薬よりも人気が ない理由を検討する価値はあります。侵襲性は重 要な要素です。多くの医師は、やむを得ない場合 を除き、カテーテルの使用を避ける傾向がありま す。患者は痛み、またカテーテルが原因の微小病 変や感染症のリスクを恐れ、膀胱内注入療法を拒 否することが多くあります。これらの問題を克服 するために、Urosystem は UroDapter®と UroStill®を開発しました。前者はカテーテルに 代わる小型の装置です。後者は、女性患者の自己 注入を可能にする装置です。UroStill®を使用す れば、専門医の直接の関与なしに、自宅で膀胱治 療を行うことができます。

 

複合療法

治療の最初のラインである食 事療法や内服薬などの侵襲性の低い方法が必要で あることは疑う余地がありません。残念なことに 、診断に時間がかかるだけでなく、侵襲性の低い 治療法の効果は 後から現れます。これは、耐え難い痛みと 重度の泌尿器症候群を伴い、生活の質が徐々に損 なわれながら、患者が

1~3 年以上の生活を無駄にしてしまうという状 況につながっています。このような時間を浪費す ればするほど、患者は侵襲性の低い治療ライン に全く反応しなくなる可能性が高まってきます。


当社の推奨事項を以下のフローチャートにまとめ ました。 症状が重い場合は、できるだけ早く改善するよう に、内服治療と膀胱内注入 治療の併用療法から始めることをお勧めします。

ICBPS_treatment_flowchart.png

IC/BPS の診断と治療のフローチャート。GAG 層完 全性検査の 100%では、最初の(水分摂取量が少ない)日 に測定された排尿の平均値を指します (IC/BPS の診断の章に記載)。

 

フローチャートに見られるように、適用される治 療ラインは GAG 層完全性テストの結果に連動しま す。 生活習慣の改善、食事療法、内服薬が効果的で十 分なのは、軽度の IC/BPS の場合に限られます。 治療の有無にかかわらず、このような場合で も病状の悪化は 否定できないため、経過観察が必要です。(この サイトにはまだ患者フォローアップシステムは導 入されていません。)

より深刻な状態では、膀胱内注入による GAG 層の 補充を直ちに開始しなければなりませんが、通 常、侵襲性の低いあらゆるな方法も 同時に行われます。

神経刺激、GAG 層の損傷部位の高周波療法 、または膀胱摘出術を含む、より侵襲的な治療法 は、他のすべての治療法が効果がない場合にのみ 行われます。鍼治療や高圧酸素療法などの代替療 法は、その費用対効果に問題がある ことを考慮し、ほとんどの場合 補助的な治療法としてのみ推奨されています。

 

 

[1] https://www.auanet.org/guidelines/interstitial-cystitis/bladder-pain-syndrome-(2011-amended-2014)

[2] https://docplayer.net/20821777-Eating-with-ic-www-ichelp-org-interstitial-cystitis-association.html

[3] https://www.ic-network.com/bev/

[4] http://ic-diet.com/IC-diet-food-list.html

[5] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17499305/

[6] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22453670/

[7] https://www.ic-network.com/interstitial-cystitis-treatments/oral-medication/

[8] https://www.webmd.com/drugs/2/drug-14053/pentosan-polysulfate-sodium-oral/details

[9] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29801663

[10] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15758738/

[11] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5756823/

[12] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24376550/

[13] https://www.ics.org/2015/abstract/23

[14] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24276074

[15] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25690160/

[16] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4708561/

[17] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5522791/

[18] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28150028

[19] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5293394/

[20] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19021619/

[21] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22576327/

[22] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22082303/

[23] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22576327/

[24] https://www.researchgate.net/publication/47396396_Long-term_results_of_intravesical_hyaluronan_therapy_in_bladder_pain_syndromeinterstitial_cystitis

[25] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4708541/

[26] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20494413/

[27] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18778342/

[28] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22516357/

[29] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/27654012/

[30] https://www.ic-network.com/interstitial-cystitis-treatments/bladder-instillations/

 
 
 
 

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